突然に両親の収入がなくなった時には
近年大きな問題になっているのが、経済的理由による大学中退者の増加です。
大学や短大に進学はしたものの卒業をせずに途中で辞めてしまう中退者は過去から大勢いましたが、
その理由としてここ数年で急増しているのが「経済的理由」によるものです。
全国にある大学や短大での中退者のうち、経済的理由によるものと回答をした人の割合は
2割以上になっているとも伝えられており、大学生の子供を持つ両親の厳しい状況が
浮き彫りになっています。
両親が勤務をしていた会社が突然に倒産や廃業となってしまったり、業績悪化により
リストラの対象になってしまったなんていうことも今や全く珍しい話ではなくなってしまいました。
そうした両親からの学費援助が全く受けられなくなってしまったという場合には、大学側も学生を
救済するための手段を用意してくれていることもよくあります。もし両親から学費を支払うのが
難しくなったということを伝えられたなら、すぐに諦めるのではなく出来る限りの手段を
尽くしてみてください。
大学による受験生・学生への救済策
大学による受験生や学生への救済策として現在実施されているのが「授業料免除」や
「分納」「延納」といった方法です。特に深刻なケースとしては、大学4年生の学生が
就職活動をして既に内定をもらっているのに、最終年度の学費を支払うことができずに
卒業見込みがとれず内定自体も破棄になってしまうというケースです。
他にも入学が決まっていた学生が初年度の入学金や授業料が支払えないために
入学をあきらめることになるということもよくあります。そうした学生のために
各大学では授業料を一時的に支払わなくてもよいことにしたり、一定の援助を
したりするということがあります。
学校側の援助方法はそれぞれに定められており、その生徒の家庭の経済状況が
実際どのようなものかということを調べてそれに適合した場合には制度を
受けることができるようになっているんです。
奨学金制度の中にも、入学金や学費一部免除といったものもあり、給付型奨学金よりは
条件もゆるくなっているので、一度問い合わせをしてみましょう。
こういった学費関連の制度は、国立大学だけでなく私立大学でも
独自の制度を作っていることが多いのが特徴です。
奨学金を受ける時の注意
学校に通いたいけれども学費をすぐに準備することができないという学生が多く利用しているのが
奨学金制度です。奨学金制度はいろいろありますが、最も一般的なのは
「日本学生支援機構」によるものです。
これは奨学金を借りるのは学生本人となっており、学校卒業後に分割で
返済をしていくという方法がとられています。奨学金には二種類あり、無利息のものと
有利息のものとに分かれています。また在学中に保護者が失業や死亡、病気と
なってしまったときのために「緊急採用(応急採用)」という制度で
途中から申し込みができる制度もあります。
普通の奨学金は毎年決まった期間に申し込みをした人のみが
受けることができるのですが、こうした緊急時用の奨学金もあるので
まずは問い合わせをしてみるとよいでしょう。
ただ奨学金の利息は現在の銀行利息に比べて数百倍も高い利率であるため、
卒業後数年~十数年に渡って重い負担を抱えて仕事をしていかないと
いけないということもよくあります。
海外留学でも適用される奨学金制度
昨今は、高校生のアメリカ留学を支援する機関なども多く、海外留学を行う際にも奨学金を
利用することが可能です。生活や勉強など、日本の学校に通うよりも困難であることは
言うまでもありませんが、海外の学校で学びたいという人であれば、このような
機関を通じて奨学金を利用するのも手でしょう。
学費を借り入れる場合にはその場しのぎではなくその後の将来についてもしっかりと考えて
最も適したものを選ぶようにしましょう。