ブラックバイトとは
長時間のサービス残業を強制する劣悪な就業環境を慢性的に行っている企業のことを「ブラック企業」と呼びます。
この「ブラック企業」は正社員として勤務をしている人を対象にしたものでしたが、現在ではそのようなブラックな就業環境は学生を中心にしたアルバイトにまで広がってきています。
実際にニュースになったような事例でいくと、学生として就業をしていたアルバイト先でテスト前や研修前だからといってしばらく休みたいということを職場の監督に申し出たところ「人が足りないのに無責任だ」「休むなら代わりの人を連れてこい」といった脅迫まがいのことを受けたという例があります。
他にも怒鳴られたり実際に暴力を受けたりするパワーハラスメントを経験したり、タイムカードを勝手に押してサービス残業扱いで長時間拘束をしたりといったようなことも報告をされています。
アルバイトといえども立派な労働者ですから、もしそのような理不尽な仕事上の違法行為を受けたら泣き寝入りをせずにきちんと訴え出るようにすることが大切です。
最初に契約をした内容と全く違った仕事をさせられてしまったり、時給額が契約と違っていた、または諸経費や手数料などを理由に大幅に減額を受けたといった場合など何か「おかしい」と感じたらまずは最寄りの労働基準監督署に相談していきましょう。
ブラックバイトが跋扈する理由
正社員の場合には決められた給与の中で成果を出さないといけないという都合上、給与にならない時間外の労働を強制されてしまうという状況はよくないとは思いつつも理解できる部分はあります。
ですがアルバイトやパートのような非正規雇用の場合、本来的には与えられる仕事は時給によって換算されるものであり、正社員のように手厚い社会保障や福利厚生を受けることができるわけではありません。
もし何か不都合があればすぐにやめたりすることができるということが一つのメリットだったのですが、ブラックバイトではそんな非正規雇用のメリットとも言える部分を全くつぶしてしまっています。
なぜブラックバイトが登場してきたかというと、まず企業側が人件費を削減するため正社員として雇用する人員を大幅に削減し、ほとんど非正規雇用だけで仕事を回すようになったということがあります。
販売店や飲食店になるとお店にいる正社員は一人か二人がせいぜいで、残りの数十人がすべてバイトやパートなんていうことも当たり前になっています。
そのためもしバイトが数人やめてしまうとその時点で営業そのものが継続できなくなってしまったりします。
そこで責任をまかされているそのお店の責任者が、恫喝をしてでもバイトにやめさせないようにしたり、長時間勤務を強要したりというようなことが起こってきてしまうのです。
また本来的には責任や知識が必要になる管理業務は正社員が行うべきところなのに、またも人員が足りないためにアルバイトがそのような本来業務とはかけはなれた責任を負わせられてしまうようなこともあったりします。
責任や知識のいる業務を任せてもそれに見合うような給与が支払われていればよいのですが、経費削減のためにわざと時給は据え置きにして肩書だけをつけるなんていうことも行われています。
学費など苦しい学生の事情も影響
しかしいくら企業が苦しい状況にあるといっても、法律的にはアルバイトは正社員のように厳しい規制があるわけではないので、やめたいと言えばすぐに辞めたりすることができます。
それが簡単にできないのは、学生たちが両親から十分な仕送りを受けることができにくく、バイトといえども失業をしてしまうと生活が苦しくなってしまうという事情もあります。
辞めたくてもやめられないという学生にこそ悪質な企業はつけこんできますので、そうしたところに目をつけられないように、しっかりと自分を守りながら仕事をしていくようにしましょう。
場合によってはパワハラや脅迫を受けたという証拠をしっかりと残しておくということも後あと大変役立ちます。